ダウン症とは、染色体が通常よりも1本多い疾患です。いろんなタイプがありますが、最も多いのは、21トリソミーと言って、21番染色体が3本になっているタイプです。明莉もそれです。
発生率は高くて、数百人に1人の割合で出生します。高齢出産で発生率がアップします。学年に1名くらいは、支援学級に在籍しているのではないでしょうか。
高齢出産で多いのですが、実はうちの妻が29歳の時に明莉が生まれました。ですので、必ずしも、若いからダウン症は生まれないというわけではありません。
さて、ダウン症の特徴は、何といっても成長の遅さです。体はフニャフニャ、目はつり上がっている、口は常時空いている、心疾患の合併が多い、精神発達遅滞が見られる、等々ですが、個人差が大きい疾患でもあります。
明莉の場合は、多指症で生まれました。心疾患も合併しており、瀕死の状態でした。平成30年11月現在、明莉は12歳ですが、精神発達レベルは5~6歳くらいです。
残念ながら、ダウン症は根本的治療方法がありません。なんと言っても、1人あたり60兆個あると言われている細胞のすべての染色体が異常なのですから・・・。ちょっと細胞学をかじったことがある方ならば、一筋縄では治療できないことは分かるはずです。
近年は、出生前診断がより簡単に受けられるようになっており、おそらくダウン症の出生率は今後一段と低下していくと思います。命の選別という意味からは、悲しいことですが、ダウン症を授かって、子育てに翻弄されたファミリーからすると、それもやむ無しという気持ちになるかもしれません。
親より早く死ぬことは最も親不孝というのがありますが、私としては、「明莉よりも早くに死んでたまるか!」という気持ちです。明莉を置いては、死ねません。長女にも三女にも、迷惑をかけたくありませんから・・・。